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  • 執筆者の写真Shiori Soeda

姉妹都市フィリピンダバオ市訪問レポート(2023年8月17-20日)

■目的

①ダバオ市のカダヤワン祭の招待を受け、訪問を行う。

②ダバオ市長を表敬訪問し、姉妹都市協定の各分野における協力・交流事業について意見交換を行う。

③小・中学生のオンライン交流の相手校であるPhilippine Nikkei Jin Kai International School (フィリピン日系人会国際学校)を訪問し、今後の交流について意見交換を行う。

④The Japanese Chamber of Commerce of Mindanao(ミンダナオ日本人商工会議所)を訪問し、現地日系企業と情報交換を行う。

⑤在ダバオ総領事へ表敬訪問を行い、姉妹都市協定調印式への出席の御礼と今後の取組について、意見交換を行う。

⑥泉南市内事業者と現地カカオ農協の連携事業について、経済面での交流を模索する。


■渡航者

山本優真泉南市長YAMAMOTO/YUMA

添田詩織泉南市議会議員SOEDA/SHIORI

川端豊泉南市行政経営部長KAWABATA/YUTAKA

浅羽美帆泉南市行政経営部政策推進課職員ASABA/MIHO

アビケント・サントス泉南市CIR(国際交流員)職員SANTOS/AVIE KENT


■行程日時行動備考

1日目(8月17 日(木) )

9:55-12:55 関西~マニラPR407

16:50-18:50 マニラ~ダバオPR2819


2 日目(8 月18 日(金) )

10:00-11:00

①フィリピン日系人会国際学校と意見交換Philippine Nikkei Jin Kai International School

11:00-12:00

②ミンダナオ日本人商工会議所と意見交換The Japanese Chamber of Commerce of Mindanao

13:30-14:30

③ダバオ市長表敬訪問及び意見交換アルカディアイベントセンター(Arcadia Event Center)

14:45-16:45

④ダバオ市の先住民族と異文化交流( カダヤワン祭Kasikas sa Kadayawan) マグサイサイパーク(Magsaysay Park) 資料1

18:00-20:00

⑤ダバオ市長・ダバオ市議会議員と会食セダアブリーザホテル(Seda Abreeza Hotel)


3 日目(8 月19 日(土) ) 9:30-11:30 (8:30 ホテル発)

⑥カカオ農協(BARBCO) の視察及び発酵槽引き渡しセレモニーBarbco Agricultural Farm (Biao Agrarian Refarm Beneficiaries Cooperative)

11:45-12:15

⑦フィリピン日本歴史資料館「移民」見学及び意見交換Philippine-Japanese Historical Museum “IMIN”

12:30-14:00

⑧DCIPC(ダバオ投資促進センター)と会食マラゴスリゾートホテル(Malagos Resort Hotel)

16:30-18:00

⑨カダヤワン祭見学(Indak Indak sa Kadayawan) ※市長はダバオ市長・フィリピン上院議員・ミンダナオ開発担当大臣・駐日フィリピン大使と面会サンペドロ広場(San Pedro Square)

19:00-22:00

⑩在ダバオ総領事表敬訪問及び意見交換総領事公邸


4 日目(8 月20 日(日) ) 4:00-6:00 ダバオ~マニラPR2822

9:05-14:15 マニラ~関西PR412


はじめに

前提といたしまして、このたびの姉妹都市締結後初のダバオ市訪問のお話をいただいた際、私は必ず今行くべきであるという確信がございました。

理由は主に2つございまして、一つはダバオ市がドゥテルテ前大統領の故郷であるとともに、現ダバオ市長はドゥテルテ前大統領のご子息であるということ。

ご息女は元ダバオ市長を務められ、現在は副大統領としてご活躍されておりますサラ・ドゥテルテさんです。

ご息女やご子息は次期大統領候補ともいわれており、今の段階で交流を持っておくことは当市にとっても日本にとっても有益であるということは言うまでもありません。

二つ目の理由といたしましては、現在戦後最悪の安全保障環境と言われている中、我が国は西側諸国の一員として対中国を見据えた外交政策を打っていかなければなりません。そんな中フィリピンに置かれましては我が国同様に中国による国際法を無視した領海侵犯が常態化しており、軍事級のレーザー照射や放水砲、フィリピンの領海に障害物を設置するなど度を超えた被害が続出しております。

このような世界情勢を鑑みても、ODAを通じての経済協力や技術支援、ハード面の支援や協力のみならず、地域間交流などのソフト面での交流の多さが外交においても肝となります。

我々のダバオ訪問後の我が国とフィリピン政府の動きを一部紹介いたします。

▶ 10月2日 [マニラ 2日 ロイター] - フィリピン、米国、日本、英国、カナダは2日、フィリピン周辺海域で2週間の合同軍事演習を開始した。南シナ海で緊張が高まる中、海洋進出を活発化する中国をけん制する動きとなる。

訓練には1800人以上が参加する。フィリピン海軍によると、今年の合同演習「サマサマ」はルソン島南部で実施。対潜水艦戦や防空、捜索救助などの分野で海洋軍事演習を行う。

フィリピン海軍高官は演習開始に当たり「同盟国やパートナーの力を示し、積極的関与という点でサマサマは単なる軍事演習を超えている」と述べ、「永続的なパートナーシップとアジア太平洋地域の安全と安定に対する共通の取り組みの象徴だ」と語った。

米海軍第7艦隊のトーマス司令官は、フィリピンが領有権を主張する南シナ海の一部西フィリピン海について「全ての国が航行と活動の権利を持つことは重要だ」と強調した。

▶フィリピン軍能力強化支援で日比合意へ 岸田首相、大統領と会談

2023年11月3日 20時2分 産経新聞

【マニラ=市岡豊大】岸田文雄首相は3日、フィリピンを訪問し、首都マニラでマルコス大統領と会談した。

 同志国軍を支援する枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の同国への初適用や、自衛隊と比軍の相互往来をスムーズにする「円滑化協定(RAA)」の締結に向けた交渉入りで合意する。首相は4日にはマレーシアを訪問する。就任後、両国への訪問は初めて。

首脳会談では、フィリピンが中国と領有権を争う南シナ海など地域情勢について意見交換する。また、4月に創設されたOSAの枠組みをフィリピンへ初めて適用し、比軍の海洋状況把握能力の向上に資する機材として沿岸監視レーダーなどの無償供与で合意する。

締結へ向けて交渉入りするRAAは、これまで英国、オーストラリアと締結しており、今回実現すれば3カ国目。双方の部隊が相手国を訪問する際に求められるビザ(査証)などの手続きを簡略化することで、共同訓練などの往来を効率的に行えるようにする。

日比両国はそれぞれ東・南シナ海を巡り、海洋進出を続ける中国に直面する。首相は首脳会談で中国の「力による一方的な現状変更の試み」に改めて反対を訴える。

首相は4日、日本の首相として初めて比議会で演説に臨み、「次世代の東南アジア外交の基本方針」を打ち出す。

今回の東南アジア諸国歴訪で首相は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を呼びかける。12月に東京都内で予定する日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議に向けた環境整備を目指す。

このように、我々がダバオ市を訪問した直後にも日本政府とフィリピン政府の間に様々な進展が見られ、両国の関係はより強固なものとなっております。安全保障の観点のからも、わたくしはこのたびのダバオ市訪問は両市の利益のみならず両国にとっても大きな国益にもなり得ると判断しました。

 前置きはこの辺にしてレポートに移ります。

初日と最終日は移動のみのため省略し、フィリピン滞在中の実質2日間の報告となります。


2日目 8月18日㈮ 10:00-11:00


①フィリピン日系人会国際学校と意見交換Philippine Nikkei Jin Kai International School

 フィリピン日系人会国際学校を訪問させて頂きました。学校に入るとすぐに、安倍総理のお写真が大きく飾られており、わたくし個人的には大変嬉しい気持ちになりました。

 日系三世であるイネス・山之内・マリャリ氏は、この学校の校長でもあり、平成14年にミンダナオ国際大学設立に参加し、平成22年からは同大学学長を務めています。平成24年以降フィリピン全国の日系人を代表するフィリピン日系人連合会会長も務めておられ、フィリピンを代表する日系人として活躍されておられます。

 意見交換の際に私から『泉南市とダバオ市の子供達の交流事業においては、語学を学ぶという目的だけでなく、日本とフィリピンの戦前からの歴史、戦後からこれまでの歴史を子供達にも伝えてもらいたい。』と要望させて頂いたところ、イネス氏は深く賛同して下さいました。

 イネス氏は昨年の日比祭の際にも「119年前にダバオに移住してきた2万人の先人が、戦前に強い日本人社会を築き13の日本人学校を設立した功績を引き継ぐことを強く望んでいる。このダバオに住む日本人の子孫である私たちの使命は、彼らの遺産を引き継ぎ、国際競争力だけでなく、日本語が堪能で日本文化に精通した卒業生を輩出し、比日をつなぐ強い架け橋になること。」と語っておられ、私たちの前でも何度も『日系人であることを誇りに思っている。』とおっしゃっており、大変嬉しい気持ちになりました。イネス氏は令和3年度には日本政府から旭日中綬章が授与されており、即位礼正殿の儀にもドゥテルテ大統領と共に招待されております。

 小学4年生から本格的に日本語教育を始め、中高卒業までに日本語能力試験3級合格程度を目指す。2級レベルあれば、貰えるお給料が5万ペソ+インセンティブ(5万ペソは日本円で13万円程度)だそうです。

 今もなお残る残留日系二世の問題についても教えていただき、フィリピン日本歴史資料館「移民」にぜひ行ってほしいとイネス氏から言われました。私たちも行きの機内でこの日本歴史資料館にはぜひ行ってみたいという話をしており、スケジュールにはなかったのですが翌日に無理やりスケジューリングしていただき、足を運ぶことができました。移民資料館については後程詳しく説明いたします。





11:00-12:00

②ミンダナオ日本人商工会議所と意見交換

▽ダバオ市経済の現状について

 ご承知のとおりドゥテルテ一家の政治的立場からも、今後も国としても開発投資が進む都市です。警備体制からも治安がとても良く、リゾート開発が進みつつあります。一方で、ゴミ問題(フィリピンはゴミを燃やせない)や雇用問題や教育問題、農業の未発達(農産物を製品にする力がない)の問題があります。現にチョコレートの原料であるカカオが多く獲れるにも関わらず、チョコレートの国内消費はほぼ輸入に頼っている現状です。

▽日本とダバオ市のビジネス交流について

 日本政府としての動きは自治体レベルでは把握できておりませんが、ダバオ使節団は東京にきてビジネスフォーラムに参加するなど、海外での投資活動を積極的に行っています。前回の泉南市で行った調印式の後にも、ご一行はそのまま東京に向かわれました。

日本としても、おそらく時期大統領の故郷であるダバオには注目していると思われます。

 現地商工会の方からは、「土地も労働力も豊富にあるため、日本企業の誘致に取り組みたい。リゾート開発も視野に入れて観光地化を推し進めたい。そのためにも交通やホテルなどのインフラ整備が必要。」とお聞きしました。

▽ダバオ市で事業展開を考える泉南市内の事業者との連携について

 現状として、市内に営業所がある食肉加工業者やチョコレート加工業者が現地入りして商談を進めております。食肉加工業者については、ダバオ現地の養鶏場会社と契約まで至っておりますが、日本政府の輸入許可がおりていません。

 チョコレート加工業者については、泉南市内でチョコレートイベントや市内事業者にダバオ産のチョコレートを使用した商品開発などを呼びかける予定です。

 また、万博交流プログラムと絡められないか模索中です。市としてできることは限られますが、姉妹都市としてのダバオをアピールすることで、これら事業者のメリット(事業者の事業促進)に繋がると考えます。



13:30-14:30

③ダバオ市長表敬訪問及び意見交換アルカディアイベントセンター(Arcadia Event Center)

 今後も姉妹都市の協定に基づき、緊密な交流を継続して行っていく旨の確認を行いました。教育面・経済面だけではなく、文化面での交流も今後前向きに検討をしていきたい旨の話があり、万博を見据え、実施手法を検討して参りたいと思います。また、ダバオ国際空港と関西国際空港の直行便の将来的な実現に向け、相互協力の姿勢を確認しました。

泉南市長から泉南市のオリジナル法被や日本のおもちゃ等をバステ市長にプレゼントし、市議会からは青木松風庵のミルク饅頭月化粧をプレゼントさせていただきました。

 この場には泉南市長を始めとした日本企業や関西の旅行系インフルエンサーの女性陣6名も招待されておりました。



14:45-16:45

④ダバオ市の先住民族と異文化交流( カダヤワン祭Kasikas sa Kadayawan) マグサイサイパーク(Magsaysay Park)

 カダヤワン祭は「Madayaw(良い、美しい、挨拶の言葉)」を語源に持ち、以前は「Apo Duwaling(アポ山+ドリアン+ワリンワリンという蘭の一種)」と呼ばれていました。

カダヤワン祭は収穫祭であり、今年の恵みを祝い、来年の豊穣を祈るもの。開催時期は毎年8月の第3週。8月に開催されるのは、フルーツの収穫に合わせるためです。8月はアポ山が綺麗に見える時期や、花が咲き誇る時期とも一致します。フルーツや花の名産地として知られているダバオらしく、パレードのフロートはそれらでカラフルに彩られるのも見どころの1つです。

同時に、ミンダナオの多様な文化を披露する場でもあります。衣装やダンス、楽器の演奏など、ダバオに住む11の部族が参加して祭りを盛り上げます。カダヤワン祭には彼らへの感謝の意味合いも含まれています。

フィリピン政府観光省公式ホームページでは、「フィリピンで人気のフィエスタ(お祭)4選」の1つにも選ばれています。それだけ盛大なお祭りであり、このためにダバオを訪れる観光客ももちろんのこと、市民も大いに楽しみにしています。2020年、2021年はコロナ禍のためオンラインでの開催にとどまりましたが、昨年からは再び対面開催に戻っています。

1970年、当時のダバオ市長であるElias Lopez氏が、ダバオの11の部族に感謝の儀式を見せてもらう日として始めました。

 実際に11の部族の皆様と共に各民族のダンスを一緒に踊り、楽器を演奏し、食事を頂き、洋服やアクセサリーを装飾させてもらい、それぞれの部族の特色を肌で感じる事が出来ました。

このお祭りが年に一度行われることにより、それぞれの部族に敬意を払い、それぞれのカルチャーや歴史を尊重することができる素晴らしい機会であると感じました。

多種多様な民族の共存は、島国である私たち日本人にとってはなかなか体感することがないため、多くの刺激を得ることができました。




18:00-20:00

⑤ダバオ市長・ダバオ市議会議員と会食セダアブリーザホテル(Seda Abreeza Hotel)

会食会場では民族舞踊や伝統楽器の演奏のおもてなしもあり、ダバオ市の議員やバステ市長らと意見交換をさせていただきました。

個人的には、世界情勢についてやマルコス大統領の政策・政治姿勢についても意見交換が出来ました。




3日目 8 月 19 日(土)

9:30-11:30 (8:30 ホテル発)

⑥カカオ農協(BARBCO) の視察及び発酵槽引き渡しセレモニー

 不二製油株式会社による現地農協へのカカオ試験施設(カカオ豆の発酵槽)引き渡し式に参加しました。

この日は朝からタレントの優木まおみさんも共に同行してくださいました。

優木さんは前日にはコーヒー農園を訪れており、コーヒーの木のオーナーになることで農家さんをサポートする農家支援プロジェクトと、優木さんのオリジナルブランドの商品開発もかねてダバオ市に訪問されておりました。



▽カカオ試験施設を引き渡し

 不二製油グループは業務用チョコレートの市場占有率で日本一、世界でも3位の食品大手です。同社は以前よりダバオのカカオの品質の高さを認識しており、2019年には現地を視察しました。以後、現地カカオ農協BARBCO(ゴドフレッド・ランガス代表)とPMCEIをパートナーとして試験を開始し、コロナ禍でも継続してこられました。また、効率化を図るために、6月には小型の発酵BOX施設を建設しております。

 ダバオ地方は比全国の80%のカカオを生産しています。その中でもダバオ市は全国の30%を生産する一大産地です。2021年にはロドリゴ・ドゥテルテ大統領(当時)がダバオ地方を「カカオ・キャピタル」、ダバオ市を「チョコレート・キャピタル」と宣言する共和国法11547号に署名しています。

 

泉南市とダバオ市の姉妹都市提携をきっかけに、泉南市内の地元事業者とダバオ市の交流が促進され、ダバオ産カカオに関する新たな官民連携の事業を今後模索していくこととなりました。泉南市はダバオ市のカカオ製品のプロモーション・プログラムも用意しており、今後の発展が期待されます。

▽ダバオ産カカオの今後の可能性について 

 フィリピン国のカカオ生産のうち80%がダバオ地方で収穫されます。世界では主にカカオは3種あり、①クリオロ種、幻の美味しい品種、②フォラステロ種、コートジボアールやガーナなどアフリカやインドネシアで生産、③トリニタリオ種、上記2種のハイブリッド。フィリピンの7割がこのハイブリッド種です。

現在は高品質のチョコレートが好まれ、今後は、コーヒー同様にカカオの生産現場や収穫後処理についても関心が持たれる時代になっていくと考えられます。ダバオは日本から近いカカオの生産地であり、いろいろな展開が考えられます。

 カカオの樹は高温多湿の熱帯でしか生育しません。赤道を挟んで南北20度以内の限られた範囲での栽培に限られます。この南北20度のカカオ栽培適地のことは、通称「カカオベルト」と呼ばれています。

似たような言葉に「コーヒーベルト」というものがあります。カカオベルトと同じく、コーヒーが栽培できる地域を指したものです。しかし帯域は異なり、赤道から南北30度以内となっています。

(栽培できる気候条件)

カカオベルト内であればどこでも栽培できるかというと、そうではありません。カカオが生育できる条件にはさらに次のようなものがあります。

・高度30〜300m

・年間平均気温が約27度で気温差が小さいこと

・年間降雨量が最低でも1000mm以上

これらの条件を全て満たすところでしか栽培できない繊細な樹木がカカオです。

フィリピン統計庁のデータベースによれば、2020年のフィリピン国のカカオ生産量は、9,341トン、ダバオ市が全ての州の中で生産量第一位になります。

2021年のフィリピン国のカカオ生産量は、10,000トンです。

フィリピン統計庁のデータによれば、ダバオ地方は国のカカオ生産量の80%の割合を占めます。ダバオ市はおおよそ国全体の生産量の30%近くを生産していることになります。




11:45-12:15

⑦フィリピン日本歴史資料館「移民」見学及び意見交換

 資料館の目的として、【『移民』日本・フィリピン歴史資料館は、フィリピンにおける日本人移民の遺産、歴史と平和を大切にするために設立されました。現在と未来の世代が歴史をより深く理解し、太平洋戦争の前、最中、その後に生き延び、そして命を落とされたフィリピン人、日本人、日系人の様々な話を学ぶこと。

同様に当資料館は日本からフィリピン、ダバオへ移住してこられダバオ国「リトル東京」に定住されていたおよそ2万人の移民者にささげられております。さらにフィリピン人と日本人の歴史の寄託者としての役割も果たし、フィリピンの日系企業を作られた日本人移民の回顧録を保存するのに寄与しています。】と書かれてあります。

 歴史資料館は、戦前、戦中、戦後の写真や品が展示されています。戦前に関する展示は、バゴボタガバワ族の当時の風俗を表す写真や民族衣装、アバカ産業や日本人街に関する商品、日用品、農業機械などがあります。戦中は、軍服、機関銃や軍刀などの武器、寄せ書きなどで、戦後は2016年1月に天皇陛下がマニラを訪問され、日系人の話を伺っているご様子や、2017年の安倍総理のダバオ訪問、2019年河野太郎外務大臣のダバオ訪問、日系人の方が令和の即位の式典に招待された際の記念品等が展示されています。

 そして今年はダバオ市の日本人移民120 周年というタイミングでもあります。

日本人移民や二世問題の話についてはここで紹介し始めたらかなり長くなってしまうので、皆さんもぜひお時間のある際にご自身で調べていただければと思います。



12:30-14:00

⑧DCIPC(ダバオ投資促進センター)と会食マラゴスリゾートホテル

 会食後は、ダバオ市のマラゴス・ガーデン・リゾートに2016年12月にオープンしたチョコレート工場に隣接したチョコレート博物館にも訪問しました。

このチョコレート工場と博物館をそのまま関西万博に持ってきてほしいと思うほど、チョコレートの知識と魅力が詰め込まれた施設となっておりました。


16:30-18:00

⑨カダヤワン祭見学(Indak Indak sa Kadayawan)

サンペドロ広場の会場では、市長はダバオ市長の紹介で、マルコス大統領の姉アイミー上院議員・ミンダナオ開発担当マリアバレーン大臣・駐日アルバノ大使とも面会し、意見を交わすことができました。

ダバウォッチ〜ダバオの全てをウォッチする情報ポータルサイト〜参照

【アイミー・マルコス上院議員は8月19日に開催されたカダヤワンダンスパレード(Indak Indak sa Kadayawan)のスピーチで、ダバオ地方とイロコスノルテ地方に、侵略に屈しなかったという歴史の類似性を強調した。

アイミー上院議員はスピーチの中で、カダヤワン祭は単に豊作を祝うだけでなく、フィリピンに住む人々の唯一無二かつ調和した存在に根ざしていると語った。また、ミンダナオには11の部族があり、イロコスノルテ地方にもイフガオ族、イバロイ族、カリンガ族、イスネグス族といった部族がいることに言及した。同議員によると、イロコスノルテ州の部族は(ダバオ市の)このイベントに参加することで、自分達の文化やダバオの部族の感情を分かち合っているという。

「ダバオの11の部族は勇敢で、いさましく、自由を愛する兄弟だ。この勇敢さと自立の精神を守ろう。彼らから学び、あらゆる世界的な危機との戦いにおいて揺るぎない姿勢を貫こう」とアイミー議員は挨拶した。

さらに、弟のフェルディナンド・マルコス大統領(愛称:ボンボン)の代理として、同氏はこのダンスパレードのパフォーマンスにイロコスノルテ州の人々を呼び寄せ、「タンオクニイロカノ」のダンスを披露させた。彼らのパフォーマンスはイロコスノルテ州の豊かな文化を反映しており、イロカノ族の人々が祭りをどのように祝うかを表現していた。

アイミー議員は公式Facebookの投稿で、「ダバオ市の豊作を祝い、感謝する行事に参加できて幸せ」とコメントしている。】

 カダヤワンフェスティバルは1週間にわたって行われ、フィリピン最大級のフェスティバルと言われているそうです。この日は学生やダンススクールチームが参加する伝統的なダンスのコンテストが開催されており、優勝賞金は日本円にしておよそ250万円だそうです。ヘリコプターからお花や紙吹雪が降ってくるなどスケールもかなり大きく、ギャラリーの数も多すぎて道路は常に渋滞している状態でした。



19:00-22:00

⑩在ダバオ総領事表敬訪問及び意見交換総領事公邸

 在ダバオ総領事へ表敬訪問を行い、姉妹都市協定調印式への出席の御礼と今後の取組について、意見交換を行いました。両市の交流の現状報告と意見交換を行うとともに、今後の両市の交流促進に引き続きご協力いただきたい旨を要望しました。

 外交問題や外務省のお話等楽しくお聞かせいただき、石川総領事と親交を深めることが出来ました。

▽ミンダナオ島の治安について

 石川総領事にお聞きしたところ、過去の宗教的な紛争の影響もあり、ミンダナオ島全体にかけられた外務省発の警戒レベル(ダバオはレベル1、ミンダナオ地方はレベル2または3)がなかなか下がらない状況だそうです。現状として、ミンダナオ島全体がレベル1まで引き下げられれば、民間企業が動き出すと言われています。

 個人的な体感としては物乞いもなく、路上で生活している人も見当たらず、ごみも落ちていない状態でかなり治安はいいように感じました。ゴミが落ちていないのは、清掃員を行政が雇っているからだということでした。

タクシーでよくあるぼったくりもなく、親切な人が多いともお聞きしました。

マニラやセブなど、日本人のイメージする治安の悪いフィリピンとは全く違う国のようで驚きました。

▽関西国際空港・ダバオ国際空港間の直行便について

 ダバオ市としても関空に限らず、日本への直行便就航を目指し、呼びかけているそうです。市としても関空があるまちとして、可能な限り関係各位を働きかける予定です。

現状セブからは日本の成田、関空、中部への直行便があります。ダバオからの国際直行便としてはシンガポールのみです。コロナ前は中国、インドネシア、カタールへの直行便があり、徐々に再開予定です。

 商工会の皆さんがおっしゃっていたのはAir Asiaが現在マニラ・ニノイ・アキノ空港でも便数を増やしてきているので、1番直行便就航の可能性があるのは、Air Asiaではないかとおっしゃっておりました。

 泉南市としても、ダバオ市との直行便就航に向けて、交渉を続けています。

 引き続き、当市とダバオ市との友好関係を強固なものとし、教育(語学/歴史)・観光・経済・安全保障の面で共に協力関係を築き、両市の発展、両国の国益に寄与して参りたいと思っております。

 以上で私のダバオ市訪問レポートは終わります。


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